50代になったら生き方をリセットする

私はがんで死にたい 小野寺時夫

ホスピスで亡くなる人の約15%が50代です。
自分自身の体験や50代で亡くなる人に接して、人は50代になったら自分の人生を改めて振り返り、あと10年しか生きられないかもしれないという仮定も入れて、生き方をリセットするのが良いと考えています。
家庭のある人は家族との生活を大事にすること、人生を楽しむこと、生きがいがあるように工夫することが大切ではないでしょうか。

私が咽頭がんと分かったのも50代です。
その時に死んでいたら、仕事が生きがいだったので私はいいにしても、妻には大変申し訳ないことになったと思います。

妻は、私が山歩きの前夜、ワクワクしながらザックに物を詰めているのを見ていて、試しについてきたのがきっかけで、すぐ山歩きのとりこになり、以来亡くなるまで25年間同行することになりました。
妻は2011年、劇症の白血病と分かってからわずか2か月で亡くなりましたが、その3か月前にはニュージーランド・ハイクを、1か月前には冬の箱根の山を3日間歩いていたのです。