元気な時期の生き方が最も大切

私はガンで死にたい 小野寺時夫

山歩き、自然に浸った生活、野菜つくり、バイオリン、やりたいと思ったことは、ほとんどやってきました。
それでも、もう死んでもいいと思っているわけではなく、まだ生きていたいというのが本心です。
ですから、不運にも私よりも先にこの世を去らなければならない人には、やりたいことをできるだけ最期まで続けるように勧め、苦しい思いをさせないよう最善の努力をしているのです。

仮に私の余命が6か月と分かったら、その時には海外での山歩きも、一人での山小屋生活も無理でしょうから、やりたいのは高校の同級生などとのマージャン、孫たちと過ごす、コンサートに行く、山歩きの仲間と我が家でのパーティーなどの回数を増やすことぐらいです。

余命が限られてからの生き方もさることながら、それまでの元気な時期の生き方が最も大切です。
がんで余命の長くないと知った人の中には、生き方を間違えたと嘆く人もいます。
多くの人が内心で自分も平均寿命まで生きると思い込んでいますが、平均寿命はあくまで「平均」で、平均寿命を超えている人が身辺にたくさんいるということは、一方に平均寿命に達しないで死んでいく人もたくさんいるということです。