2年後に死ぬことが分かっていたらどのように生きるのか

寿命が尽きる2年前 日下部羊

正確にピタリと2年後の死を予測することは困難ですが、そろそろ準備を始めた方がよいという兆候はいくつか考えられます。
たとえば、理由なしに食欲がなくなるとか、通常の量が食べられなくなるとかです。
食欲が湧かなくなるのは、細胞がエネルギーを活用する力がなくなるからです。

人の死がいつか分からないのは、大変よいことです。
いつか分からないから、目をそむけていられる。
必ず死ぬことは分かっているけれど、今、死ぬわけではないと思っている人は、人間は死なないと思っているのと同じです。

死んだらどうなるのかとか、自分がなくなってしまうとかの不安も、死のシミュレーションをしたら弱まりました。
死のシミュレーションとは眠りです。
朝起きたとき、もし昨夜、寝たままで死んでいたらどうかと考えてみてください。
眠っている間は意識はありませんから、不安や恐怖は感じないまま終わります。
死は目覚めない眠りと同じですから、人は毎晩、一度死んでいるようなものです。

自分が2年後に死ぬことが分かっていたら、長生きを求める努力は無駄になります。
2年後の死を受け入れられるかどうかによって、その時間が意義深いものになるか、無駄になるかが決まるように思います。