言葉の処方箋

明日この世を去るとしても今日の花に水をあげなさい 樋野興夫

ガンになると、多くの人が自らの死を意識し始めます。
そしてそのうちの約3割の方がうつ的な症状を呈します。
ガンになったことで生きる希望を失ったり、生きる意味が見いだせなくなったりし、うつ的な状態に陥ってしまうのです。

鬱といっても鬱病ではありませんので、薬で治すことはできません。
励ましや応援の言葉も有効ですが、残念ながら一時的なものに過ぎません。
言われた直後は心が前向きになり、元気が出たように感じるかもしれませんが、自宅に戻って1人になると不安や恐怖に襲われます。

鬱的な症状を解消するには、患者さんの思考そのものを前向きに変えてあげる必要があります。
そのきっかけとなるのが「言葉の処方箋」であり、人間の根源に触れる問いかけです。