自分の考え方を決めておかないと

寿命が尽きる2年前 日下部羊

誤嚥をするとなぜいけないかというと、食べたものが気管に残り、そこで雑菌が繁殖すると、誤嚥性肺炎を起こすからです。
若い人なら肺炎になっても抗生剤で治る見込みは高いですが、高齢者は体力がないため、治療しても死ぬ危険性が高くなります。

高齢者に誤嚥が起ころやすいのは、長年にわたる重力の影響で、咽頭が下がり、咽頭蓋(軟骨のフタ)と声門(気管の入り口)の間に隙間ができるからです。

胃ろうを増設して、そこから栄養をとらせると、誤嚥性肺炎の危険は減りますが、口からものを食べる喜びが失われます。
これも、胃ろうという技術が開発されために発生した難問です。
家族は勢い、安全を優先して胃ろうを求めがちですが、亡くなった後で、もっと口から食べさせてあげればよかったと悔やむ人も多いですし、口から食べることを優先して、誤嚥性肺炎で亡くなると、胃ろうにしておけばよかったと後悔することになります。