胃ろうのメリット、デメリット

寿命が尽きる2年前 日下部羊

胃ろうについてはメリットとデメリットがあります。
これがあれば、点滴の代わりにもなるし、薬もここから入れられるし、意識のない人にも十分な栄養を補えます。
ところが、そのうち胃ろうには大きな問題点があることに気づきました。
あまり公には言われませんが、胃ろうをすると高齢者が死なないのです。
死ななければいいのではと思うかもしれませんが、意識もなくて無言無動で、何の反応もない状態で死なないのです。

世話をしても「ありがとう」の一言もなく、下の世話(おむつの交換ばかりではなく、浣腸、陰部洗浄)をしつつ、汗もかき、垢も出るので清拭、洗髪、口腔ケアが必要で、耳くそ、鼻汁の処置も必要で、床ずれ予防に体位変換も必要で、長時間家を空けることもできないので、旅行はもちろん、外出もままならなず、在宅医療を頼めば医療費もかかり、ヘルパーを頼めば介護費用もかかり、それがいつ果てるともなく続くと、いかに大事な親の介護でも、2年、3年、5年となれば、どんな親孝行の息子、娘でも疲れ果て、一体いつまで続くのかと、内心で恨めしく思いうようになりかねません。

言葉は悪いですが、生ける屍状態になってしまうことが、胃ろうの最大のデメリットだと思います。