乳がんの場合

寿命が尽きる2年前 日下部羊

乳がんの場合は、拡大手術か温存手術かで迷う人も多いと思います。
最近、温存手術が広まったのは、医療が進歩して、温存手術でもがんが治るようになったからではありません。
温存手術でも拡大手術でも、死亡率に差がないので、腫瘍の場所や大きさによって、温存手術が選ばれるようになったのです。
すなわち、拡大手術は、助かる人には大きくとりすぎであり、助からない人にはいくら大きくとっても足りないということが分かったのです。

長い目で見て生きるか死ぬかには有意差はなくても、局所再発に関しては、拡大手術の方が少ないという結果が出ています。
美容面を優先して温存にするか、再発の危険を優先して拡大にするかという問題で悩むことになります。

かつての軒並み拡大手術をしていた時代よりはいいと思いますが、選択肢が増えたことによって、悩みも増えた側面があります。