根拠に基づいた医療へ

寿命が尽きる2年前 日下部羊

根拠に基づいた医療(EBM)という概念が広まったのは1990年代からで、初めてこれを聞いたとき、私は腰を抜かしそうになりました。
今まで学んできた医学は「根拠に基づいていなかったのか!」と気づいたからです。

確かにそれまでの医療は、経験的にこうだとか、偉い先生が言っているとかの知識の積み重ねでした。
つまり、思い込みに基づいた医療だったわけです。

EBMでは、ある医療行為の有効性を確かめるのに、その医療を受けるグループと、受けないグループを無作為に分け、偶然の要素を排するために大規模(300人とか500人)で比較して、有意差があるかどうかを調べます。
これで、有意差が出て初めて有効性のエビデンスとなるのです。