抗がん剤の副作用

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか 近藤誠

標準治療は、肺がんなら日本肺癌学会が、乳がんなら日本乳癌学会が決めた治療法で、いわば、がん治療ワールドのバイブルみたいなもの。
このバイブルを信じている医者はみんな同じことを言うから、セカンドオピニオンを聞かれても、全く問題がないのです。

それはともかく、「抗がん剤治療をしないなら、ほかの病院にどうぞ」と言われて、梨元さんの奥さんは転院することも考えたそうです。
ところが、梨元さん本人が転院に反対しました。
「せっかく、ここまでしてくれた病院に悪い」と言って、この病院で抗がん剤治療を受けると決めたのです。
梨元さんは「病室内ならテレビの仕事でもなんでもしていい」と許可されていました。
梨元さんは仕事をしたかったのです。
だから、ほかの病院に入って、仕事をしてはいけないと言われるのが嫌だったのでしょう。

梨元さんは、6月中旬から8月中旬にかけての約2か月間に、3回の抗がん剤治療を受けました。
1回目は6月、抗がん剤の点滴で、まったく効果がありませんでした。
2回目は7月、別の抗がん剤の点滴で、この時は医者に「肺の曇りが少し取れた」と言われました。
が、レントゲン写真を見ても、奥さんには全く変化が分からなかったそうです。
「抗がん剤を使わなければ、2~3か月しかもたない」と言っておきながら、じゃあ、抗がん剤が効いたのかと言えば、全く効かない。
効果がないうえに副作用がひどいことを知りながら、抗がん剤治療をしたのかもしれません。
梨元さんのツイッターには、副作用がたくさん書かれています。
「だるさと口内炎と味覚障害と食欲不振とせき込みと微熱に負けないで頑張るぞ・・」と。