抗がん剤の仕組み

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

こんな薬が使われ続けている理由の根本には「がん細胞は正常細胞とは違うから、がん細胞だけを殺せるはずだ」という思い込みがあるのです。
がん細胞だけを殺せるなら、強い薬であればあるほど効果があります。
だから毒薬でもいいわけです。
ところが実際には、がん細胞は正常細胞がほんの少し変化しただけのものです。
つまり、がん細胞も正常細胞もほとんど同じ。
そのため、抗がん剤はがん細胞と正常細胞を見分けられないのです。

しかも抗がん剤は、細胞分裂の激しい細胞を攻撃するように作られています。
がん細胞は、正常細胞より激しく分裂すると考えられていたからです。
ところが、これも実際には正常細胞の方が激しく分裂するのです。
そのため抗がん剤は、正常細胞をどんどん攻撃します。
そして、抗がん剤でがん細胞が死ぬ前に、重要な臓器がボロボロになってしまうのです。