告知 4

なんとめでたいご臨終  小笠原文雄

マコさんの事例では多くの課題が見えました。

まず1つ目は、ケアマネージャーに「末期がんで一人暮らしは無理だ」という認識があることです。
まずは医療・看護従事者の認識を変えていかなくてはいけないと痛感した事例でもあります。

2つ目は、告知の問題です。
周囲は、真実を知らせないのが優しさだと勘違いしがちです。
でも真実を知らないということは、生き方を選べないということです。
真実を知っているからこそ、その後の生き方を考えていけるのです。

3つ目は、告知を単なる告知で終わらせない、告知そのものよりも、その後のフォローを大切にしなくてはいけないということです。
告知後の患者は、とても動揺しています。
告知を受けた患者が、その後も希望をもって生きていけるように手を握り、間を取り、目を見て話しかける。
そうすればつらい告知でも、次の生き方を決める灯りになるのではないでしょうか。

死ぬと分かったからこそ生かされている命に気づき、感謝したり、満面の笑みになる患者さんもとても多く、真実を知ることの大切さを教えられる日々が続いています。