告知 3

なんとめでたいご臨終  小笠原文雄

告知を受け、真実を知ったことで在宅ホスピス緩和ケアを開始することになったマコさんは、集まっていた約20人で地域連携カンファレンスを行いました。
苦しいとき、痛いときはモルヒネを飲む。
石油ストーブの臭いが咳を誘発するなら湯たんぽにする。
座薬を使うときはヘルパーさんに手伝ってもらうとよい。
トイレに行けなくなったら、尿道留置カテーテルを入れる。
困ったときは、誰でもいつでも訪問看護ステーションに電話する。
訪問看護師や医師は24時間対応する。
玄関のカギは小笠原内科が1つ預かる。
これらの点を確認し「最期まで自宅にいたい」というマコさんの意思をみんなで共有するとともに、地域包括ケアの体制も整えました。

在宅ホスピス緩和ケアを受けたマコさんは、痛みが取れ、夜はぐっすり眠れるようになりました。
話を聞いたお店の常連客や友人が様子を見に来てくれたり、大好きな歌が歌える音楽療法を行うなど、穏やかで充実した毎日を送り、救急車を呼ぶことは一度もありませんでした。
そして、他県に住む妹と友人が遊びに来た時、穏やかに旅立たれたのです。