医者が手術を勧めても

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

赤塚さんのケースでわかる通り、医者が手術を勧めても従う必要はありません。
手術を拒否して、治療せずに放置するのが一番ですが、もし治療するのであれば放射線の方がましです。
放射線なら、生存率は手術と同じかそれ以上で、しかも通院での治療が可能です。
放射線治療を選んで、QOLが高いまま、赤塚さんのように好きなことをして生き切った方がいい。
ものが飲み込みめにくくなったら内視鏡でバルーンを膨らませて食道を広げる、といった対症療法をその都度受けて、QOLを保つようにすればいいのです。

ただ、放射線治療も徹底的にやろうとすると、線量が多くなりすぎて害があります。
食道の組織が硬くなってしまったり、治療が原因で肺炎や心不全になったりするのです。
だから、線量を多くしますと言われたときは、治療が医者の決めた回数の8割くらいになったら、なんだかんだと理由をつけて、あとはさぼった方がいいでしょう。