ホスピスとは

私はガンで死にたい 小野寺時夫

医師の指示に基づいて看護師がそれを実行する一般病棟の体制と異なり、ホスピスでは身体的精神的苦痛の緩和の方針は、原則的に医師、看護師、医療相談員が患者さん個人ごとに何度も意見交換して臨機応変に決めます。
必要に応じて栄養士、リハビリ訓練士、薬剤師にボランティアも加わってのチーム・ケアなのです。
そのため、医療スタッフの気持ちも態度も、病棟の雰囲気も、一般の治療病院とは著しく違います。

外来診療は、新患の場合は1人に30分から1時間かけ、家族だけでの受診も多いのが現状です。
外来通院、自宅療養している人の再診にも20~30分はかけます。

面会は24時間自由で、家族が病室や家族宿泊室に泊まることもできます。
寝たままで入浴でき、転院してきた人の中には久しぶりの入浴だと喜ぶ人が多いのです。
食事の持ち込みも飲酒も自由で、家族が患者さんの好きなものを料理できるキッチンもあります。
外の空気を吸いたい人や散歩をしたい人には、看護師、ボランティア、ケア・ワーカーが付き添います。
寝たきりの人も、希望すればベランダで日光浴をさせます。
外出、外泊したい人には連絡を密にして希望通りにします。
温泉旅行などの希望を支援することもあります。