ガンには本物のがんと「がんもどき」がある

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

がんを放置すると聞いて、皆さんはどう思われますか?
「ありえない!」「そんなバカな!」「すぐ死ぬよ」・・・。
多くの方がそのように反応されるのではないでしょうか。
事実、がんは放置しておくと転移して手遅れになる、と思い込んでいる人が大半です。
実は僕も、昔はそう考えていました。
がんは発見したら、すぐ治療。

しかし、がん治療に携わってから間もなくして気がついたのです。
そっとしておいた方が楽に長生きできるがんは確かに存在すると。

僕はほかにも
①がんの手術はほとんど役に立たない
②がんの9割に抗がん剤は無意味
③がん検診は百害あって一利なし等々、社会通念に反することを主張してきました。

極め付きは ④がんは本物のがんと「がんもどき」に分かれる、でしょう。

僕は1973年慶応義塾大学医学部を卒業し、研修医として大学病院の放射線科に入りました。
がん治療医になりたかったわけではなく、当時、脚光を浴びていた放射線診断学を修めようと思ったからです。
研修医時代は半年ごとに診断部門とがんの治療部門をローテンションし、様々な技術を身につけます。
最初は治療部門でしたが、暇だったので英語の内科学書で勉強し、米国の医師国家試験に合格しました。
後年、それが役立つことになります。