すぐに救急車を呼ばないこと

なんとめでたいご臨終  小笠原文雄

お別れの日に向けて

今後、次のようなことが起こることもあります。
* 食物や水分が飲みにくくなり、むせることがあります。プリンやとろみのあるゼリーなどが飲み込みやすいこともありますが、まずはご相談ください。
* 食欲がなくなり、ほとんど食べなくなったり、眠っている時間が多くなったりします。
* 無理に食事をすすめず、また無理に起こしたりせず、ご本人のしたいようにしていただくほうがいいと思います。

さらに症状が進むと
* 口が乾燥して言葉が出にくくなり、痰がきれにくくなります。氷や濡らした綿棒などで口を湿らすと、少しはしゃべれることもあります。
* 急な病態の変化(出血、肺炎など)が起こることもあります。
* 意味不明な発語や、興奮したりすることもあります。また昼夜逆転、場所、時間、家族や知人が認識できないといったことがみられることもあります。
* 尿の量が減ってくることがあります。
* 手足が冷たくなってきます。(血圧が下がるため)

息を引き取る時のご様子
ほとんど眠っておられるようになってきます。
そのうち呼んでも、さすっても反応がなく、ほとんど動かなくなります。
大きく呼吸したのち、10~15秒止まってまた呼吸する波のような息の仕方になります。
肩や下あごを上下させて浅い呼吸をするようになります。
少し苦しそうに見えますが、ご本人はすでに意識がなく、苦しみはないと思われます。
しかし、耳は最期まで聞こえているといわれています。
ゆっくり声をかけられ、話しかけてください。
呼吸が止まり、胸やあごの動きがなくなります。
脈が降れなくなり、心臓が止まります。

あわてて救急車を呼ばず、ステーションに連絡してください。
看護師が来るまでの時間はご家族のお別れの時間としてください。