人の頭で生きていけ

がばいばあちゃんの口癖 島田洋七

私が中学校を卒業するとき、ばあちゃんは手製の卒業証書をくれました。
学校の卒業式から帰ってきて「ばあちゃん、中学校の卒業証書もろた」と言ったら、ばあちゃんが
「ああ、よかった、よかった。ばあちゃんからも卒業証書がある」というのです。
ばあちゃんは、画用紙にこんなことを書いてくれました。
「7歳の時に、佐賀のこんな田舎のこんな貧乏な家に来て、かあちゃんとも会えんかったのに、今までよう頑張った。お前は偉い!!
もう一つ励ましの言葉もありました。
「お前のその頑丈な体と、人の頭で生きていけ!」
よく分からなかったので、ばあちゃんに尋ねました。
「ばあちゃん、それ、どんな意味?」
「分からんことがあったら、他の人に聞きなさい」
自分で分からなかいことがあるなら、他の頭のいい人に聞いたらええ。
それは恥じゃない、とばあちゃんは教えてくれました。

みんながみんな、頭が良くなくてもいい。
むしろ、頭のいい人と、アホがおるからうまくいく、というのが、ばあちゃんの哲学だったんです。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉があります。
自分が分からないことは、恥ずかしがらずに、よく知っている人に聞けばいいんです。