なんとめでたいご臨終 小笠原文雄
北村さん(59歳 男性 大腸がんで余命3か月)がラジオ番組でお話しした続きです。
死ぬのはやっぱり自分の建てた家がいい。
家族と終末期を迎えたかった。
それは無理だとわかっていたけれど、やっぱり僕は家に帰りたかった。
小笠原内科は近かったから、家内に頼んで先生の所へ行って話を聞いてきてもらうと、パンフレットをもらってきてくれました。
そして担当医の先生に”なんとか家で終末期を迎えられないか”と家内が話をしてくれたんです。
家内のおかげで、家に帰ってくることができました。
そして小笠原内科の在宅ホスピス緩和ケアが始まりました。
小笠原先生が「北村さん、動いていいよ。痛くなったら痛みを全部取ってあげるから」と言ってくれて・・・。
だから動き出した。
入院しているときは動かなかったのに。
なぜかというと、動くと痛くなるから。
だからご飯も何も食べなかった。
でも帰ってきてからは3食食べるようになった。
いや、食べたくなった。
美味しいから。
60年近く家の醤油にしろね、味噌にしろ、家の味ですよね。
そうしたら元気になっちゃった。
びっくりするくらい元気になりましたね。
もうみんながびっくりしている。
だって入院中は全然動かなかったから。
でも食べるから免疫力が上がって元気になった。
僕もあと数か月だと思ってたんだけど、11月に家に帰ってきて、今はもう5月ですよね。
ぴんぴんしている。
それもね、今泣いているけれど嬉しんですよ、すごく嬉しい。
退院したばかりのころは、痛いとかあったんですけどねえ、痛みはあるし、すぐ熱は出たし、おしっこなんてまっ茶色だったんです。
それが今は熱も出ないし、吐き気も一切ないし、痛みが出たって抑えられるし、何の心配もないんです。
こんな幸せはありませんよ。