血液検査、基準値が老いも若きも同じというのは不合理

寿命の尽きる2年前 日下部羊

血液検査は、基準値があるので気になります。
しかし、この基準値が老いも若きも同じというのは不合理です。
男女で分けている項目もありますが、年齢で分けているものはありません。
コレストロールとか、飲酒をする人のγーGTPなどは、年齢と共に増えるのが当たり前ですし、赤血球やヘモグロビンは年齢と共に減って当然ですから、若い人の基準にあてはめれば、自ずとそこから外れることになります。

さらには、基準値がたびたび変更されることも問題です。
ある女性の受診者は、そうコレストロール値が241mg/dlだったので、ひどく心配していました。
基準値が219mg/dl以下と書いてあるからです。
そこで「私が医学部の学生のときには、そうコレストロール値の正常値は250mg/dl以下でしたよ。それにコレストロールについては、基準値より少し高めの方が長生きできるというデータもあります」と話すと、少し安心したようでした。

今は高血圧の診断基準が、140㎜HG以上、90㎜HG以上となっていますが、私が医学生だった40数年前は、160㎜HG以上、90㎜HG以上で、片方だけ超えているものは、境界例とされていました。
すなわち、150㎜HG以上でも、当時は薬を飲まなくてよかったのです。
血圧は年齢とともに上がっていくのが普通ですから、若者の基準に当てはめると、異常者が続出するのは当たり前です。
昭和の時代は「血圧は年齢+90が正常」と言われたものですが、案外、それがまっとうな基準なのかもしれません。