病気は人生の階段を1段上る経験

明日この世を去るとしても今日の花に水をあげなさい樋野興夫

アメリカでは、アルフレッド・クヌソン博士のもとで学びました。
博士は「がん遺伝子の父」と称される人物で、遺伝性ガンの発症メカニズムを解明し、多大な業績を上げた人です。
私は先生から次のようなことを学びました。
私はこれを「競争的環境で個性を輝かせるための5か条」と呼んでいます。
1 複雑な環境に立ち向かうときは、焦点を絞って単純化するといい。
2 自らの強みを基盤とする。
3 得なくてはならないものは、そんなに多くはない。
4 無くてもいいものに縛られるな。
5 レッドへリング(人の注意をそらせて間違った方向に導く)に気をつける。

私は患者さんにとって「がんになったこと」も階段を1段上る経験と考えています。
がんになったこと自体はマイナスかもしれませんが、それをきっかけに自分の人生を見つめなおしたり、人生を大局的に見られるようになる。
そう考えると、病気になったことも1つの出会いとみなせるのではないでしょうか。