申し訳けありません

投稿より 59歳男性

若かりし頃、暗くなるまで遊びに夢中になり、遅く帰ると「夕飯は食べるな!」「家に入るな!」という父の罵声が飛んできました。
仕方なく、暗い闇夜の中で心細く佇んでいると、裏戸の鍵を開けてこっそりと母が出てきてくれました。
その手には、おにぎりと温かい味噌汁が・・・。

母は、人としての在り方、生き方を普段の生活の中で、言葉ではなく背中で教えてくれたように思います。
朝早くから夕方遅くまで農作業をする身でありながら、夕食の跡片付け、みんなの衣服の繕いなど、夜なべの毎日ですが愚痴ひとつ言わず、黙々と働く姿に親の愛を感じたものでした。

それなのに、あれだけ頂いた親の恩に報いることができないまま、今に至ってしまいました。
他界した両親への申し訳なさだけが残っています。