時間は有効に使おうと思えば思うほど足りなくなる

寿命が尽きる2年前 日下部羊

父は80歳を過ぎた頃から「もう十分に生きた。いい人生やった」と何度も口にしていました。
そんな父の最期を目の当たりにしているので、私自身も死に抗う気持ちは持っていません。
もちろん、自ら寿命を縮めるようなことはしませんし、医療で治せる病気になったときは病院に行くでしょう。
しか無理な治療を求めたり、長生きのために何かをしたりというようなことはしないと思います。

私が若いころ、あれもこれもせわしなく動き回っていたときに、父にこう言われました。
「時間は有効に使おうと思えば思うほど、足りなくなる」
確かに、いろいろと効率を考え、時間を無駄にしないようにしていたのに、私はいつも時間が足りませんでした。
しかし、父の言葉を聞いて、一度それをやめてみると途端に気持ちが楽になり、時間がゆったりと流れだしました。
今日は何もせずにおこうと決めると、1日が長くて困ったほどです。

さらに1つ。
事故は青信号のときに起きる。
ふつうは赤信号のときの方が危険だと思いますが、赤信号は注意して渡るので、むしろ事故は起きにくく、青信号のときは油断して渡るので、逆に危ないというのです。
つまりは、安心しているときは危険ということでしょう。