家にいるからこそ伝えられる

なんとめでたいご臨終  小笠原文雄

母親があと数か月、あと数日しか生きられないのだとしたら、子どもたちにとって一番うれしいことは何でしょうか。
寝たきりでもいい、家にお母さんがいてくれる、それが一番うれしいのではないでしょうか。

そして、母親にとっても一番希望の光を見出せるのは、自宅で子供の顔を見て、同じ空気を吸いながら暮らせる状況ではないでしょうか。
自宅にいれば最期まで母親としてのぬくもりと思いを伝えてあげることができます。
堀さんのように生き抜く姿を見せることも、だんだん命の灯が消えていく、命の大切さを教えることも、家にいるからこそできるのだと思います。