十分生きたと満足できる心づもりを

寿命が尽きる2年前 日下部羊

日本はこんなに自由で平和で豊かなのに、ガンや心臓発作や脳卒中、うつ病に認知症、パーキンソン病やALSなどの恐怖に常にさらされ、検査のたびに肝機能や腫瘍マーカー、心電図、X線検査の結果にハラハラ、ドキドキさせられてはいないでしょうか。

私より10歳近く年長の知人が、「とにかく死ぬのが怖いんです」というのを聞くと、大の大人が真顔で言うのだから、ほんとうに怖いんだろうなと思います。
コロナワクチンでも、その知人は大いに迷い、副反応で亡くなった人がいるというニュースを聞くと、因果関係が定かでないにもかかわらず,気になって仕方のないようでした。
安心材料の情報はいくらあっても信用しないのに、心配材料にはあっという間に取り込まれてしまうのですから。
健康で長生きしたいという欲望が、このような怯えを生み出しているのなら、何をしているか分かりません。

あらかじめある年齢に達したら、もう十分生きたと満足する心づもりをしておくことです。
そのとき、欲張って年齢設定を高くし過ぎると自ら苦しみます。
コツは、できるだけ設定を低くすることです。
やりたいことはやりきったと、自分で納得できれば、死は迫ってきても、慌てずにすむのではないでしょうか。

寿命が尽きる2年前とは、結局、そういう準備をする時間だと思います。