偉大なる猫の神様へ

1月7日に、そちらに無理やり送った猫がいます。
名前は知りません。
私たちは、ほんの一週間しか一緒にいなかったのです。
でも、目ヤニだらけの両目はつぶれて、舌は出しっぱなしで、前足はよだれで汚れている、そんなみっともない猫だったから覚えているんじゃないでしょうか。
そう、その白と黒の小さなやつ、ミッキーマウスが眠っているような顔をしたやつです。

どうか神様、次に生まれてくる時は、うんとうんと幸せな猫にしてやってください。
大みそかに神社の境内に猫は捨てられていました。
見て見ぬ振りができなくなったのは、置いてあげたエサと水が凍り付くほどの寒い夜だったからです。
獣医に見せると、生まれつきの盲目だろうということでした。
そして猫エイズに罹っていることが分かりました。
守ってあげたくても、私にはそこまででした。
借家では飼うこともできず、周りの人も処分しかないとの声が圧倒的でした。
このまま寒さで凍え死ぬより、エサも食べられないまま飢え死にするより、猫エイズで苦しみながら死ぬより、選ばざるをえなかったのは安楽死。
注射で眠るように逝きました。
本当は、どうしたら一番良かったのか、今でも迷路の中にいます。
猫を思うたびに、流れる涙が止まらないことで、どんなにその猫を愛していたのかだけを思い知らされています。

この世の中は、いつの間にか、人間の都合だけで動くようになっています。
人間社会のエゴで生き続けることができなかった猫。
殺した私が、「愛していた」っていえるでしょうか。
どうか神様、あの猫が、この次は幸せに、ミッキーマウスのように皆に可愛がられる一生を送れますように・・・どうかお願いします。