代替治療でもがんは治らない

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

とはいえ、筑紫さんのがんは一旦は消えて、10月に番組復帰。
「ほぼ、がんは撃退した」と述べています。
しかし年明けには一転「僕はがんについて、いかに無知であったかを非常に深く、深く、反省しています」と語っています。
消えたかに見えたがんが、治療から半年で全身に転移してしまったのです。
この時医者は、別の抗がん剤が効く可能性があるから、体調を言整えて抗がん剤治療を繰り返すいうに勧めたそうです。
が、体力が回復しなかったために、激しい痛みを取るためのモルヒネ投与が主になっていきます。

一方、本人には内緒で、医者から「治る可能性はない」と告げられ焦った家族は、筑紫さんには様々な代替治療を受けさせたようです。
NK細胞療法、ビタミン療法、フコダイン、ゲルマニウム・・・。
いいと聞けば、どこへでも父を引っ張りまわしたと、息子さんの手記にあります。

筑紫さん自身も、抗がん剤の害を実感していたからでしょう。
この頃「がんは悪という発想が間違っている。西洋医学では抗がん剤の副作用で体が弱り、別の病気が発生してしまう。東洋医学は副作用がない上、ほかの病気も改善してくれる」と語っています。