明日この世を去るとしても今日の花に水をあげなさい 樋野興夫
がん患者に向けた講演会でこんな話を聞きました。
「本当に大事なことは少ないよ。私たちを煩わせることのほとんどがどうでもいいこと。どうでもいいことは、ただ放っておけばいい。命に別条がある場合はまた別だよ。でも、そうでないものはたいてい放っておけばいいんだよ」
この発言について患者さんの1人から感想をいただきました。
「先生の放っておけの言葉が心にストレートに響きました。複雑化を求める現代で、晴れやかな言葉を久しぶりに耳にしました。放っておけの一言で、個人的な悩みは吹っ飛んでしまいました。日常の些事から解放され、目が覚めた気分です」
生きていると、怒ったり、悩んだり、傷ついたり、悲しんだり、反省したり、後悔したりはしょっちゅうです。
でも、たいていのことはただ放っておけばいい。
同じように、自分では決められない問題も放っておけばいい。
しばらくすると自分以外の人が決めてくれます。
ただし特例があります。
自分よりも困っている人の要求には速攻してやる。
ほったらかしにしたり、長引かしたりしてはいけません。