がん手術の後遺症

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

がん手術で寿命が延びるという証拠はないのに、その一方で、手術にはさまざまな後遺症があります。
たとえば、日本人の多い胃がんの場合、手術となると胃を丸ごと全部切り取られたり、十二指腸につながる出口付近を含めて大きく切り取られたりすることが、よくあります。
ところが、このような手術を受けると、動機、めまい、冷や汗、腹痛、下痢、嘔吐など、さまざまな症状が起こりやすくなります。
ものを食べると、こういった症状が出るために、食べることそのものが怖くなってしまうこともあります。

あるいは子宮頸がんの場合、手術の7割はリンパまで大きく取ります。
すると排尿、排便障害、膣が短くなる、足がむくむなどの深刻な後遺症が出ます。
おしっこをするときに、尿道にカテーテルを入れて、無理に出さなければならなくなる人もいます。
膣の奥行きが短くなって、正常な性行為ができなくなる人もいます。