裸で生まれて

上京物語 喜多川泰

私たちは裸で、何も持たずに生まれてきました。
そして、生きている間だけ、この世に46億年前から存在する部品(原子)を使って「自分」というものを作ってもいいということが許されています。

それが終われば何も持たずに死んで、後世の生物のために部品をお返しするのです。
その後は、いくら同じ部品を集めても、もう「自分」というものをつくることはできません。

今、私たちにできることは、人生を精一杯楽しんで、そして人にやさしくすることでしょうか。