自分のできることをやる

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

1%運動をご存じだろうか。
この1%運動を企業ぐるみで展開している化粧品会社がある。
化粧品を買った人も、売ったセールスレディーも、それぞれの取扱金額の1%を寄付することを長く続けているのだ。
3,000円の化粧品なら、売った人も勝った人もそれぞれ30円ずつだ。
そう負担になる金額ではないだろう。
このわずかなお金が積もり積もって、難民支援NPOのピース・ウインズを立ち上げるまでになった。

自分の力をほんの少しでもいい。
他人のために役立てたいものである。
そういうことは成功者がすることと、思い込んでいる人がいるかもしれない。
だが、自分の力を他人のために使うこと自体が、一つの成功的な生き方だと言えまいか。
「金八先生」の脚本家、小山内美江子さんは、カンボジアに学校をつくる会を主宰していることでも知られているが、自分の出せるものを出せばいい、時間のある人は時間を、汗の出せる人は汗を、お金の出せる人はお金をと言っている。
何かをやりたいと持っていても、何もやらないという人が一番だめだと語っている。