アンテナを張って話しを聞く

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

松下幸之助さんは小学校卒である。
今よりずっと学歴偏重の時代だったから、並みの人なら学歴コンプレックスに陥っても仕方のない所だ。
だが松下さんは、そうはならなかった。
「知らないことは、知っている人に聞けばいい・・」という柔軟で率直な人だったからである。

松下さんにインタビューに行く。
たとえば1時間の予定をとってあったとすると、「ほな、最初の30分は私が話しましょ。残りの30分は、あんたはんが何か面白い話しを聞かせてください」というのだそうだ。
松下さんの所にインタビューに来る人は、第一線のジャーナリストが多かったから、有意義な話や貴重な情報が聞ける場合も多かっただろう。
結果的に松下さんは、居ながらにして豊富な情報を入手し、増々経営に冴えを発揮できたのかもしれない。

私も毎日、いろいろな人にお目にかかり、話しをする機会が多い。
どんな話でも、こちらが柔軟な態度を持っていれば、自分の活かせる情報を必ず含んでいるものだ。