将来の不安

老後の費用はこれだけ必要、だから定年までにこれだけ貯金しなければいけない、というような話題が世間を席巻しています。
でも将来、何が起こるかわかりません。
想定外のことが、「机上の計算」を台無しにしてしまうこともあります。

ではどうすれば「将来の不安」を払しょくすることができるのでしょうか?
アリストテレスは「将来の目的や計画を一旦忘れ、今この瞬間にやりたいこと、やるべきことに熱中しなさい」といいました。
何故なら、今の自分の楽しみを犠牲にして、将来の自分のために備蓄をするような行為は、それは自分にとって楽しく充実した状態ではないからだといいます。

でも将来のために、今は少し我慢してでも「計画的に生活設計」しておいた方がいいように思えます。
でもアリストテレスは「今自分にとって楽しく充実している状態」が、そのまま「すでに成し遂げた成果なのだ」と考えました。

たとえば、大事なプレゼンを控え最初は恐れをなしていましたが、「無心で準備をしているうち」に面白くなってきて、プレゼン後に大絶賛を受けた経験のある方もいらっしゃるでしょう。
またデートの時に、「ただ相手を楽しませたい」と思って、自分もデートを楽しんでいたら、いつの間にかとてもいい雰囲気になっていた、ということもありますよね。
これは「目的を度外視して過程や経過」にのめりこんでいたら、それとは反対の「よい結果」を結果的に導いてしまうという経験なのです。

「無欲にプロセスの作業を手抜きをせずに、楽しみ切る」ことが、高くて最高のパフォーマンスを生み出すことであり、自然と結果がついてくると言います。

全力で作業に取り組み、充実した手ごたえを感じながら生きている人を、世間が放っておくことはありえないでしょう。
結果的に「1日1日に熱中し没頭」している人は、その輝きを目にした人からの縁に恵まれます。
「将来、食べていけるだろうか」という心配は、いつの間にか解消されているでしょう。