メディアにだまされないこと

うまいこと老いる生き方 

92歳の女性精神科医と54歳の女性精神科医の対談です。

92歳 長生きの人が増えてのは良いことやけど、これからの長い老後について悩んでしまう人も多いようやな。

54歳 歳をとることで若さは失われていきますが、得られることもたくさんあると思います。

92歳 何と言っても、万事につけて歳をとると気楽になるね。私ら女性でいえば、若さとか、美しさとかをスッキリあきらめてしまうことで、着るものにしても、髪型にしても、所作にしても、人の目とか気にしないでよくなるよ。

54歳 私は54歳という微妙な年齢で、まだメディアから若見えファッションなどと盛んにあおられる年代なんですが、はっきり言って、この歳でそういうことを追いかけるのはもうしんどいです。

92歳 すごい時代になったもんやな。私の頃は結婚したらもう「おばさん」扱いで、気楽なもんやったわ。50代だとおばさんどころか、「おばあさん」扱いされていたわな。

54歳 そうやって「おばあさん」と開き直った方が、50代からは絶対に気楽ですよね。いつまでも若さに執着して苦しむより、潔く老いを認めて、性別の縛りや人の目から解放される、そんなイメージを持てば、自分らしく、イキイキと生きられる気がします。