やわらかな感性

宝石の購買意欲は、自分がすでに持っている個数に応じて高まるのだそうです。
宝石を一個も持っていない人は、宝石の購買意欲はあまりありません。
自動車の場合、高級車を買うと、より高い車に買い替えたくなるそうです。
出世も一緒です。
出世すればするほど、より高い地位を求めたくなります。
欲望が満たされることによって、満足することはありません。
欲望が満たされると、さらに欲望が膨らみます。
次から次へと欲望を高める努力は疲れます。
やがて心身ともにくたくたになって、ぼろぼろになってしまいそうです。

「あきらめ」というのは、自分がしようとしている努力が意味のある努力なのか、それとも意味のない努力なのかを明らかにすることです。
意味のある努力とは、他人を傷つけることなく、努力することで精神的な満足が得られ、努力することが楽しいものです。
努力の先に結果を追い求めるから、つらくなるのです。
一生懸命やって、人が喜んでくれて、自分も楽しかった、それでいいのではないでしょうか。

「氷が解けたら何になりますか?」という問いに「春」と答えた子供がいます。
社会では「水」と答えなければ間違いにされますが、この子供のやわらかな感性が大切だし、素敵だと思いませんか。