言葉

素晴らしく鍛え上げられた肉体を見たとき「あの人はいいなあ。生まれつき素晴らしい筋肉がついていて」とは思いません。

コンサートでピアノを上手に弾く人をみて「いいなあ、あの人は、生まれつきピアノが上手で」とも思いません。

均整の取れた肉体も、人を魅了する音楽をピアノで演奏するのも、毎日の訓練の賜物であることは誰でも理解できるからです。

ところが、これが「心」ということになると「生まれつき」という言葉で解決してしまいます。
意志の強い人を見て「ああ、私もあの人のように生まれつき意志が強ければ・・・」
前向きの人がいれば「私もあの人のようにクヨクヨしない性格を持って生まれればよかったのに・・・」と思ってしまいます。

「言葉」が私たちの人生を作っています。
「おまえは、弱い人間だ。おまえくらいダメな人間はいない」と毎日聞かされていたら、それが事実でなくても、だんだんそういう人間になっていってしまいます。
では、そういう言葉を誰から一番多く聞いているのでしょうか。
家族からでしょうか、それとも友人、知人から。学校の先生、それとも会社の上司、同僚から・・・?
実は、そういう言葉をぶつけてきているのは、他でもない「自分自身」かもしれません。
身近な人から「君は何をやってもだめだね・・」と1回言われたとすると、その1回の発言を「ああ、私は何をやってもダメなんだ」と何千回、何万回も頭の中で繰り返している自分がいるからです。

言葉が人生を作っているのとしたら、この逆をいけばいいのではないでしょうか。
自分を明るく、強く、幸せにするような言葉だけを自分にかけ続ければいいのです。
よいことを言われれば「ありがとう」と素直に受け入れればいいし、ひどいことを言われても「忠告、ありがとう。そう言ってくれるあなたが好きですよ」と素直に自分に言い聞かせればいいのです。

まずは、自分を否定することをやめることから始めてみましょうか。