自分が果たした役割に気づいたとき

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

患者さんの中には、「私は子どもを育てただけです。ほとんどの時間を家庭の中だけで過ごしてきましたが、自分の人生に満足しています」と言って、誇らしげに笑っていた方もいましたし、「誰にも見向きもされない水道工事をずっとしてきたけれど、この国の水は自分が守ってきた。これからも、自分の代わりにこの国の人に清潔な水を届けてほしい」と、後世に願いを託した方もいました。

誰かの幸せを願って亡くなった数多くの人生があって初めて、現在の私たちの生活が成り立っています。 
人生を振り返り、自分が果たした役割が分かったとき、人は自分自身や自分の生き方を肯定し、後世に生きる人々の礎となることを喜ぶことができます。

自分を支えてくれた存在に感謝している。
自分が大切に思ってきたことを人に伝えられる。
自分が果たしてきた役割は、後世に引き継がれていく。
人生の最後にそう思うことができれば、その人は幸せなのではないでしょうか。