無上のやさしさ

マザーテレサのグループのあの優しさは何でしょう。
マザーやシスターたちやその共感者たちは、どこまでも自分を、相手の不安や不信や迷いや孤独を解消するために差し出します。
そのことによって、自分がどんな苦労をしようとも、相手の気持ちが癒されるのなら、甘んじて受けようとします。
その活力は、どこから来るのでしょう。

マザーやシスターたちは、まず神との関係を深めることに心を注ぎます。
日々のミサ、祈り、瞑想、経典の拝読など「徳を積む」行為によって、神の心を実践できる自分になろうと努力します。
次第に大きな存在に包まれていき、自分は神に完全に受け入れられ、愛されているという感覚になっていくのだといいます。
この感覚に包まれた上で、人に接するのです。

したがって相手と接するときは、相手の事情に左右されず、相手を包み込むような心境に至っているようです。
一般の人なら怒っても仕方がない状況でも、怒るどころか、その人の事情を理解しようとするのです。
かくして、相手の猜疑心は取り除かれ、気持ちが晴れていきます。
よって二人の人間関係は離反するどころか、一層親密になり、尊敬の念が育っていくのだといいます