気分が盛り上がらないときこそ

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

何となく気分が盛り上がらない日が誰にでもある。
こんなとき、男性なら、休日でもスッキリと髭を剃り、髪型をきれいにセットし、こざっぱりしたカジュアルウエアに着替えると、心のスイッチがオンに切り替わる。
特別な服装をしなさいと言っているのではない。
カジュアルでも、日中の生活を過ごすのにふさわしい衣服を身につける気持ちを持ってほしいのだ。

そうした気持ちも起こらないほど、ダラダラと休日を寝巻のまま過ごしてしまうようなら、相当、心が疲れているのだと自覚した方がいい。
実際うつの症状の1つに、身だしなみ症候群というのがある。
部屋がひどく散らかっていても平気、髭など差し迫った必要がなければ、伸びても気にならない。
髭を剃ったり、女性ならメイクアップしたりすることは、生活のリズムをつくるという意味もある。
元気が出ない日は、休日でもメイクをし自分を取り戻すとよい。

資生堂が、ある老人ホームで認知症の人たちにメイクアップをしてみたところ、明らかに認知の改善効果が見られたと報告している。