最後の5年間をどう生きたかで人生は決まる

明日この世を去るとしても今日の花に水をあげなさい 樋野興夫

私たちの人生は、最後の5年間をどう生きたかで決まります。
極端な話しをするならば、若き日のことはどうでもいい。
一生かかって築いてきた地位や名誉や財産はどうでもいい。
最後の5年間が何よりも大切です。
最後の5年間、自分の役割を全うして死ぬ。
それが残された者たちへのよき「贈り物」になります。
たくさんのお金を残してあげたり、立派な家を残してあげたりするのもいいでしょう。
でも、それは誰にでもできることではない。
誰もができないことは最も大切なことではないのです。

患者さんの中には、良い贈り物を残して去っていったひとがたくさんいます。
「ガンになっても生きる希望を捨てない」
「自分のことよりもまず相手のことを思いやる」
「病気にもかかわらず、自分よりも困っている人の手助けをする」
自分の生涯を1つのモデルとして提供する。
そうすることで「あのとき、あの人はがんばっていた。だから自分ももう少しがんばってみよう」と誰かを勇気づける。
これがお金やモノではなく、記憶に残る贈り物です。

すべての人に贈り物を残すことはありません。
最後まであなたに関心をもち、最後まで見捨てなかった人だけに残せれば十分です。