新しいことを知ろうとすること

生まれた直後は細胞一個あたりシナプス(神経細胞同士を接合する部位)は2つくらいですが、大人になると二千くらいになるそうです。
脳内には千億くらいの神経細胞があるといわれていますので、200兆のシナプス、つまり神経の繋がりがあることになります。

今まで脳細胞は胎内にいる時だけ分裂して、生まれてからは脳細胞は増えないと考えられてきました。
ところが、その後の研究で誕生後も脳細胞が増えていることが分かりました。
そこで今度は、どうしたら脳細胞の分裂を活発にできるかが調べられました。
1 動物に運動させると、記憶の入り口である海馬の細胞が増えました。
2 動物を遊び道具の多い環境に置くと、脳細胞が増えたのです。手や指を動かすことも重要ですが、美しい景色、美しい音は脳細胞を増やす効果がありました。
3 そして訓練です。迷路を作ってその奥に餌を置いて、できるだけ少ない回数で餌の所まで行けるように訓練すると、脳細胞は増えていきました。

勉強したり、本を読んだり、外国語を覚えようとすることは、脳細胞を増やす効果があります。
人間は歳を取ると、本を読んでもすぐに忘れてしまう、何か話を聞いてもすぐに忘れてしまう、だから新しいことを知ろうとしても無駄だと思ってしまいます。
それでも、頭を使うことは脳細胞には非常に良いことになります。
頭を使うことに意味があるのです。