なんとめでたいご臨終 小笠原文雄
抗がん剤を使って治る見込みのある患者さんには抗がん剤は必要です。
しかし、抗がん剤を使っても効果がないのに、抗がん剤を使うことを望む患者さんが多いのが現状です。
抗がん剤依存の方には2通りあると思います。
１つは、自分の病状を正確に把握されておらず、抗がん剤で治ると信じている方。
もう１つは、治る見込みがないと分かっていても、何かにすがりたい、何か治療をしていないと不安という方。
もしかしたら、奇跡が起きて治るかもしれないと諦めきれない方です。
どちらにしても、効果のない抗がん剤を選択することは悲劇です。
迷ったときは、主治医に「もしも先生のご家族が、私と同じ状態だったら抗がん剤を勧めますか？」と尋ねるなど、医師の本音を聞き出すことも大切かもしれません。