嫉妬

憧れや羨望は、「あんなふうになりたいな・・」「なれればいいな・・」で終わります。
一方嫉妬は、「本来、自分が持つはずだったものを人が持っていってしまった!」と勘違いしたときに生まれます。
本当は自分がその立場になるべきだった状況を、他人に奪われたと錯覚した(そう感じた)わけですから激高してしまうのです。

嫉妬の根っこにあるのは「所有欲」です。
本来自分のもののはずなのに、不当にも誰かに奪われたという感覚です。
交際相手が、自分に向けるべきものを他の人に向けていると思うから嫉妬するわけです。
自分が得るはずだったポストに、競争相手が先に付いたから嫉妬するわけです。

大好きな芸能人が同じ芸能人と結婚した場合、羨望はありますが、嫉妬はしません。
自分がどんなに野球がうまくても、長嶋さんや王さんには嫉妬しません。
なぜかと言えば、自分は芸能人でもなく、プロ野球の選手でもないので、同じ土俵に上っていないからです。

羨望は、「あの人のようになりたい」「なれればいいな」と、自分を高めようとする行動につながる場合があり、プラス面があります。
しかし嫉妬は、「不当にも奪われてしまった」という感覚で止まってしまうので、能動的な行動にならないのです。

嫉妬したい状況は、本当に不当なものだったのか検証してみましょう。
「そのポストには自分がふさわしい」と考えていたかもしれませんが、人事課はそうは考えていなかった。
「彼女は自分を好きになるべきだった」と思っていたかもしれませんが、彼女(彼)自身は、別の相手の方がよかったわけです。
ほとんどの場合、それらは正しい事実なのでしょう。

嫉妬から解放されるには、それを理解できるかどうかです。
そこから、人間性を高めていけるかどうかが問われるのです。