厳しい状況

ガンになった緩和ケア医が語る 関本剛

初めて抗がん剤治療を受けた患者さんに、よくこう言ってきた。
「1日、2日目はこんなものかなと感じるのですが、3日目からドーンと来る人が多いです」
果たして、その通りだった。
入院4日目から強い倦怠感に襲われ、これまでなかった吐き気や食欲低下の症状も出た。
この抗がん剤治療は4クール繰り返す必要があり、今後頭髪が抜けたり、体重が落ちたりすることも覚悟しなければならないが、私としては脳転移巣が小さくなってくれないと、自分が自分でいられる時間について、より強く意識せざるを得ない状態だった。

主治医が説明してくれたデータによれば、私は今年中(2020年)にも、1次治療が効かなくなり、がんの進行がさらに進む可能性があった。
7月から2次治療に移っているので、その通り進行してきており、生存期間中央値は2年、その話しを聞いたのは2019年のことなので、それだけみると私はかなり厳しい状態に置かれている。

ただ、私は自分の病気に関するすべての情報を自ら医師に聞いて教えてもらっており、おかげで今後の対策、生き方をしっかりと考えることができる状況にあった。