偉大な先人たちの言葉を暗記する

明日この世を去るとしても今日の花に水を 樋野興夫

言葉は人を癒し、人を傷つけます。
がん哲学外来では、患者さん1人一人に言葉の処方箋を出します。
処方箋は人によって違います。
言葉の処方箋も患者さんの数だけあります。

言葉の処方箋なんて偉そうなことを言っていますが、言葉は誰でも贈ることができます。
なぜなら、私のやっていることは、偉大な先人たちー新渡戸稲造、内村鑑三、南原繁、吉田富三らの言葉を暗記して、さも偉そうに語っているだけだからです。

1人になって不安になったとき、寂しくなった時、ネガティブな考えに支配されそうになった時、言葉があるとそれらを押しとどめることができます。
病気の時に薬を飲むように、心の中で反復できる言葉を持つと、気持ちが少し楽になります。

何をするかより、どうあるべきか(新渡戸稲造)
勇ましき高尚なる生涯(内村鑑三)
目下の急務はただ忍耐あるのみ(山極勝三郎)

これまでのところ、ガン末期の患者さんでも、言葉の副作用が出た人はいません。
言葉の処方箋はお金もかからず、副作用はゼロ。
それでいて効果が期待できます。