信念は選ぶことができます

「人を信頼してはいけない」という信念とともに成長した人がいました。
愚かな人たちが詐欺にあった新聞記事を見ては、もっともらしく頷きます。
「それ見たことか、だから誰も信頼なんかできないんだ。慎重すぎることなど、ありえないからな・・」と信念を強くします。
半面「自分には運がないな」と感じ、「しかし、それは致し方ない」という信念も持っていました。
物事に用心深くなっている彼は、良くも悪くも生活を変えることを嫌いました。
この頃になると、世の中には「幸運」を掴む人がいることを知りました。
「ははーん、幸運を掴んだ奴は他人をうまく利用したに違いない」と考えました。
年月が経ち、自分は何で「求めるものを得られない」のだろうと考えました。
人を信頼できないために、せっかくできた彼女からは「あなたは信頼できない!」と言われ、別れることになってしまいました。

あるとき彼は、人生で自分が求めているものが得られないのは、「人を信頼しない」ことに原因があると気づき1つの決心をします。
他人に対する「信念を変える」ことにしたのです。
ただ、彼は決心しただけでは不十分でした。
つまり彼の深層心理、無意識の領域で「人は信頼できない」という、強い信念が深く根付いているからでした。
そこで彼は、思ったことをすべて紙に書き出して、これまでの態度を乗り越えるための考えを思いつきました。

1 良い人間関係には信頼が大切である。私は良い人間関係を築きたい。そのため     には、危険を冒してもかまわない。
2 人を信頼すれば、相手も信頼にこたえようとするもの。裏切られても人を信頼してみよう。
3 人を信頼するのは怖い。でも、今以上に人生が悪くなることはないはずだ。

「信念は不変」だと思っていましたが、「信念は選べることができる」ことを知りました。
昨日の自分が言ったことが、今日、自分が言っていることと矛盾していても不思議ではありません。
人は成長し変化するとともに、自分にとっての真実も毎日変わるからです。
自分にとって何が一番大切なのかを知ったら、それを大切にします。
だから今日と明日で見方が変わっても、かまわないのです。