体の抵抗力をつけること

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

がんが大きくなるスピードは、がんの性質にもよりますが、患者さん自身にどれくらい抵抗力があるかによっても違います。
体に抵抗力があれば、がんは簡単に転移したり大きくなったりすることができません。
あっという間に大きくなることはないのです。

体の抵抗力とは、突き詰めて言えば、細胞や組織の強さです。
私たちの身体を作っている細胞は、すべて細胞膜で覆われています。
この細胞膜が強ければ、外敵は組織の中に入り込めません。
ところが細胞膜が弱いと、外敵が簡単に入り込んでしまうのです。
細胞膜はコレステロールが主な成分ですから、肉や卵を食べないとコレステロールが取れず、細胞膜が弱くなってしまうのです。

菜食主義を貫くと細胞や組織が弱くなって、体の抵抗力が落ちます。
抵抗力が落ちたとき、体内にがん細胞があればどなるでしょうか?
がんが簡単に取りつき、ものすごい勢いで大きくなってしまうのです。
ジョブズさんも、菜食主義が体の抵抗力を奪い、がんを勢いづかせたのです。
そして08年には、健康な時より20㌔もやせた姿で登場したため、製品よりもジョブズさん自身の体調が大きな話題になってしまったのです。