不登校の彼女

ココロの架け橋 中野敏治

家庭訪問を繰り返してきた2年間。
でも1度も彼女は玄関に顔を出すことはありませんでした。
行くたびに、あえて大きな声で母親と話しをしていました。
部屋にいる彼女に聞こえるように大きな声で母親と話しをしていたのです。
会えなければと、電話をしてみました。
それでも彼女が電話に出ることはありませんでした。
手紙も書いてみました。
返信はありませんでした。
その彼女が、私に感謝の言葉を、そして仲間たちにありがとうの言葉を告げたのです。

彼女が2年生の後半に登校したことがありました。
ずっと休んでいたときでした。
彼女は遅刻しながらも登校したのです。
とてもうれしかったのですが、彼女の姿を見たとき、素直に喜べなかったのです。