ブレがなく覚悟ができている

明日この世を去るとしても今日の花に水を 樋野興夫

「私がいい加減に見えるか!」
南原繁は、このたった一言で国会答弁中の野次を一蹴したといいます。
元東大総長であり、政治学者でもあった南原だからこそできたことでしょう。
生き方にブレガないし、覚悟ができています。
覚悟のある人間にしか「私がいい加減に見えるか!」とは言えないでしょう。

余命告知なんて所詮は確率論で、確実事象ではありません。
にもかかわらず医者は平気でこう言います。
「これこれこういう治療をしないと、もって半年でしょう」
突然、余命を告げられれば誰でも少なからずショックを受けます。
人間は自分の寿命に気づかない生物ですから当たり前です。
とはいえ、寿命なんて所詮確率論にすぎません。
確率でいえば70%程度のものですから、医師の宣告を鵜吞みにすることはありません。
それに寿命というものは案外なんとでもなるものです。
生きる目的や使命感を持っているかどうかで、人の命は伸びたり縮んだりします。
「自分はこの病気では絶対に死なない」と宣言した胃がんの男性は、摘出手術から10年たった今でも元気に生きています。
「余命3か月と言われたのに2年が過ぎました。どうなっているのでしょう」という患者さんもいます。
これまでに何度も余命告知を受けた患者さんもいます。
余命告知はそのくらい曖昧なものです。