パニック障害、僕はこうして脱出した 円広志
自分がいないと会社が成り立たない、そう思うのは間違いである。
実は僕がそうだった。
病気をする前、自分は番組に必要だと思っていた。
しかし、僕が病気で休んで困った人はいなかった。
自分がいなければ番組が成立しないというのは自意識過剰、飛躍のし過ぎなのだ。
パニック障害は、なぜ起こったのか。
スつレスの原因は何だったのか。
今思えば、好きな音楽の仕事をずっとしていたかったのに、なかなかそうもいかず、音楽に携わる時間が削られていたことだったのかもしれない。
もちろん、テレビのバラエティー番組の仕事は、納得してやったつもりだった。
が、心のどこかに音楽への渇望があったのだろう。
それに加えて、芸能界の複雑な人間関係にかなり疲れていた。
そこへ過労が加わり、さまざまな要因が絡み合って極限状態になっていったのかもしれない。