ガン検診をやめた人たち

大往生したけりゃ医療とかかわるな 中村仁一

ガン検診は体によくないと、定年退職を機に検診断ちをし、晴れ晴れとした気分で過ごしている知り合いが何人もいます。
なぜ体によくないかを聞いてみますと、「たとえガンでなくても、少しでも異変があれば精密検査に回される。回された方はガン検診を受けて精密検査と言われたら、心穏やかではいられるはずはない。もしも、ガンだったら思うと、心も乱れ、夜も眠れない。食欲も落ちる。仕事に身が入らないなど、結果が分かるまで生きた心地がしない。おまけに、精密検査の結果が出るまで10日も2週間もかかる。こんな気持ちを味わうのは、もうたくさんだ。世の中には知らない方が幸せということもあるのではないか。もうこんな思いをくり返すことに耐えらえない」といいます。

また、放っておいても問題のないタイプのガンを見つけてしまうと、治療する無駄と副作用という不利益をうけることになります。
今やガンは2人に1人がかかり、3人に1人は死ぬ病気ですと言われます。
しかし、その表現は正しいにしても脅し文句です。
ガンは老化ですから、高齢化が進めば進むほど、がんで死ぬ人間が増えるのは当たり前です。